今回は、宇宙技術を活用して誕生したお米、その名も宇宙ビッグデータ米「宇宙と美水」を紹介します!
宇宙ビッグデータ米とは?
近年、地球温暖化による「高温障害」の増加に伴い、米の外観品質の劣化や食味の低下が問題となっています。
「宇宙ビッグデータ米」は、「気候変動に対応したブランド米をつくる」ことを目的として
宇宙ベンチャー(株)天地人の地球観測衛星のデータから土地の解析や可視化を行う土地評価サービス「天地人コンパス」を活用して見つけた
「よりおいしく育つ可能性のある」圃場で、
(株)笑農和の水管理システム「paditch」を使用して栽培したブランド米のことです!
日本の農業の課題に挑戦する(株)神明と(株)天地人が業務提携し、お米の収量が見込める栽培適地を探すため、
天地人コンパスによって日本全国を調査しました。その結果、山形県鶴岡市であることが分かり、その土地を選択して「宇宙と美水」として栽培を開始したそうです。
そうした圃場選定や水管理によって高温障害を回避し、「気候変動に対応したブランド米」として、
第5回「宇宙開発利用大賞」(内閣府主催)の農林水産大臣賞も受賞しています!驚
収穫された「宇宙と美水」は、米のおいしさの指標のひとつである食味スコアで、
トップブランド米とそん色ない評価を得ているとのこと!
・タンパク値:炊き上がった時にどれくらいふっくらしているか
・アミロース値:お米の粘りや甘味に関係する値
・水分値
お米を炊いて実食!
では、早速、お米を炊きましょう!
炊く前ですが、すごくキラキラしていますね!!
炊いた後は、ホクホクのごはんができました!!
できたてホヤホヤのごはん特有の香りが食欲を掻き立てられます!
しっかりとしたコシのある歯ごたえと、一粒ひとつぶ甘さが滲み出てきて、とても美味です!!
宇宙への希望がたくさん詰まったお米は、と~っても元気が出ます!!
宇宙ビッグデータ米のプロジェクトに関わる企業
(株)天地人
人工衛星データを利用して、まだ誰も気づいていない土地の価値を明らかにしていく土地評価コンサルティングのスタートアップ企業です。
JAXAの知的財産や知見を利用して行うJAXA STARTUPとして認定されており、
JAXA職員と農業IoT分野に知見のある開発者が設立したそうです。
地球観測衛星のデータから土地の解析や可視化を行うサービス「天地人コンパス」と
水田の水温測定や水門自動調整などを行う「IoTシステム」を組み合わせて
収量などが見込める耕作放棄地などの「ポテンシャル名産地」を発掘する「気候変動に対応したブランド米」を作るプロジェクトを実施しています。
天地人コンパスは、その栽培にもっとも適した土地として山形県鶴岡市を選択しました。
天地人コンパスは、地球観測衛星のビッグデータをはじめとし、地質や土地利用データとともに、
下記のような課題を解析して可視化させることで、ビジネスの意思決定を最適化する土地評価サービスです。
・農作物が美味しく育つ場所を探す
・農作物の高温障害や病気のリスク など
(株)笑農和
(株)笑農和は2013年設立のスマート農業ベンチャー企業です。
「IT農業を通じて笑顔の人の和を創り社会に貢献する」を理念に、コンサル事業を行っていて、
水稲栽培で一番作業時間のかかる水管理をスマートフォンで管理ができるシステム「paditch」を主力製品として開発・販売しています。
paditchの特徴は、事務所や自宅、外出中にも遠隔で水位・水温の確認や開閉作業を行うことができるため、
毎年記録的な猛暑に見舞われ、全国的に一等米の収穫量が落ちている状況で、
夜間の冷たい水を取り入れて水温を低く保つなどの工夫などを施すことで3年連続で一等米の収穫をpaditchが成功させたそうです!
paditchはデータ蓄積も可能なので、各種センサーの情報・栽培履歴等を利用して、水管理の最適化を図ることで、
過去の経験や勘に頼った栽培から脱却し、収穫量や食味を自動的に得ることが期待されています!
(株)神明ホールディングス
「宇宙ビッグデータ米」を栽培しているのは、米穀卸業大手、(株)神明ホールディングスです。
(株)天地人と業務提携し、宇宙ビッグデータを使ったお米の生産・ブランディングに向けた取り組みを進めています。
(株)神明ホールディングスは、日本で最も多くのお米を取り扱う企業で、
今ある日本の食を守り、新たな挑戦によって食文化を発展させていく挑戦を続けています。
日本の農業課題として、生産者の高齢化、減少に伴い、今後の供給力の懸念がありますが。
それを払拭するために米の生産増につながる農業施策として、(株)天地人の強力のもと宇宙ビッグデータを利用しています!
まとめ
「地球の課題を宇宙から見て解決する」
「宇宙と美水」はまさに、その課題を解決に導いた成功例と言えると思いました!
人工衛星だけでなく、地球の中で何年も続く問題の解決に必要な視野と新しい考え方を身に付けるために、
「やはり一度、宇宙に行かないと!」という発想が誰でもできるような時代がすぐそこまで来ている気がします!!
宇宙への希望がますます膨らむお米ですね!!
コメント