カカオのビックリ知識② カカオ豆の加工~発酵編~

新しいチョコレート研究開発

前回「カカオのビックリ知識① カカオという植物の生態」は、カカオのビックリ知識の初回ということで、

「カカオという植物」についてその育つ環境からカカオの樹・花・実・果肉、そしてカカオ豆まで紹介いたしました。

今回は、チョコレートにするために、カカオ豆がどのように加工されるかを紹介いたします!!

(みなさんの声)

え!?カカオ豆が収穫できたらお~しまい! じゃないの!?
「加工」って何?必要なことなの~?

(私)

チョコレートらしい味わいや絶妙な香りのためには、「カカオ豆の加工」は必須ですよ!!
今回は、「カカオ豆の発酵」について説明しますね!!

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カカオ豆の発酵

カカオ豆の「発酵」は、チョコレートの香味を決定づける重要なプロセスです!
「発酵」のプロセスでは、香味成分の前駆体(花で例えると、蕾の状態です!まだ香りを放ちません!)を作ります!

その後の工程である「ロースト」で香味成分が完成し、香りを解き放つことができます!

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発酵って何?

発酵とは微生物(発酵菌)を利用して食品を製造することです!

微生物の力でものを分解したり変化させたりして食品を作る方法です。
その出来上がったものが私たちにとって役に立つなら「発酵」有害なら「腐敗」と呼びます。

この役に立つ発酵菌と上手に付き合っていくことをバイオテクノロジーと呼びます。

★チョコっとビックリポイント!
微生物は繁殖して集団を作ればその集団の中では他の雑菌が繁殖しにくいという性質があるそうです!
発酵を成功させる工夫として、腐敗菌が繁殖する前に発酵菌だけを繁殖させる必要があります!!
なんだかスライムが合体して、キングスライムになるみたいな?ところがビックリポイントです笑(あ、すみません忘れてください笑笑)
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カカオパルプに包まれた状態で発酵

カカオポッドの殻を割って、カカオパルプごと取り出します。

カカオ豆はパルプに包まれた状態で、発酵プロセスに入ります!

(みなさんの疑問)

え!?カカオ豆を予め取り出しちゃえば、後々楽になりそうじゃない?

(私)

この「カカオ豆がパルプに包まれた状態」は、発酵を促してくれる「微生物(発酵菌)」が元気に活動するのに最適な環境なのです!(エッヘン)

もっと詳しくいうとパルプ中身は、約8割水分であり、
さらにショ糖・ブドウ糖・果糖などの糖分を多く含むため、発酵菌が繁殖しやすい環境となっています。

カカオベルトという高温多湿の自然環境も発酵菌にとっては働きやすい場所となっています!

★チョコっとビックリポイント!
カカオパルプには、クエン酸が入っているので、「酸性」です。
発酵菌は、環境が酸性やアルカリ性といった私たちから見ると少し厳しい環境の中でも育つことのできる菌が多いようです。
それに対し、腐敗菌常温で環境も中性といった、我々の住みやすい優しい生活環境で元気よく繁殖します。
環境の違いで働く菌が異なる、適材適所なところがビックリポイントです!
ちなみに、日本酒の発酵では、腐敗菌が繁殖しないように「乳酸」を加えて「酸性」変えています!

カカオ豆を発酵させるための発酵菌はどこから来るのか?

日本酒では、米に含まれるデンプン(糖類が連なった構造をしている)を分解してショ糖などの糖類にするために、
わざわざ麹菌を準備しております。

ワインでは、日本酒のように予め特定の菌を加えるようなことはせず
ブドウの果実に取りついている野生の菌「酵母」が働いて、自然に発酵が始まります
しかもブドウの果実はリンゴ酸やクエン酸が入っていて、最初から「酸性」になっているので腐敗菌の増殖も自然に抑えられています。

実は、カカオ豆の発酵はワインよく似ています!!

カカオ豆の主な発酵方法は、2つあります。

  • ヒープ法
    バナナの樹の葉っぱの上にパルプに包まれたカカオ豆を乗せて、さらにバナナの葉っぱでくるんで発酵させる方法。
  • ボックス法
    木箱にパルプに包まれたカカオ豆を入れてバナナの葉っぱで上部の表面を覆う方法。
    規模が大きくなると、ひな壇上に設置された複数のボックスから構成される「連続ボックス法」があります。
    効率の良いことに、発酵初期に一番上のボックスにカカオ豆を投入してから時間をおいて、
    下にあるボックスにカカオ豆を落とすことを繰り返すことで、まんべんなくカカオ豆に空気を触れさせることができ、均一に発酵を促すことができます。
パルプに包まれたカカオ豆は、バナナの葉っぱや木箱についている微生物や空気中の酵母をそのまま利用して発酵を始めます!!
★チョコっとビックリポイント!
カカオポッドの中は、無菌状態です。
ポッドを割られてから、割ったときに使ったナタやナイフ、自分の手などに発酵菌がくっついているので、
実は、割った瞬間から発酵スタートになっているところにビックリポイントです!

カカオ豆の発酵過程

発酵初期(1~2日間)※農家により日数は異なります

発酵初期はカカオパルプがカカオ豆を包んでいるので、カカオ豆は空気と触れない状態ですが、
酸素がない状態で活動する「嫌気性細菌」が活動します。

まず、酵母の嫌気的発酵が起きて、アルコールの1種であるエタノールを生成します。
同時に乳酸菌も繁殖して、カカオパルプのぬるぬる成分であるペクチン分解する酵素を分泌し、パルプを分解していきます。

★チョコっとビックリポイント!
「カカオ酒」と呼ばれるブラジルなどの中南米で高級酒として売られている。
「カカオパルプ」のみ発酵させたお酒があることにビックリポイントです!

発酵後期(3~4日間)※農家により日数は異なります。

パルプが分解されてくると、カカオ豆が顔を出し、酸素に触れられる状態になり、「好気性細菌」が繁殖しやすい条件となります。

生じたエタノールをエサに、酢酸菌が増殖して、酢酸を生成します。酢酸はカカオ豆に浸み込んで豆の中の細胞を壊していきます。
その酢酸生成過程は、最大50℃もの大きな発熱をともないます!

 

この大きな発熱で、カカオ豆の内部のデンプンタンパク質がカカオ豆の細胞の外へ放出され、
これが酵素微生物によって、分解されて「糖」「アミノ酸」を生成します。

 

ここで生じた「糖」「アミノ酸」チョコレート特有の香味を生じる前駆体です!

★チョコっとビックリポイント!
カカオ豆の発酵の目的は、チョコレートの香味成分を作るだけではありません!
カカオ豆の発芽能力を失わせることも目的としています!
もし、発酵させる前にカカオ豆が発芽してしまったら、
幼苗の生長のための養分になる脂質(ココアバター)が消費されるだけでなく、豆の中の「タンパク質」も消失してしまう。
そうなってしまうと発酵プロセスで香味成分が作れなくなってしまうのです!!

チョコレートも発酵食品です!

おそらく今回の話で、みなさんが一番ビックリしたのは、

チョコレート「発酵食品」ということではないでしょうか?

発酵食品といえば、味噌や醤油、日本酒、ワインが思い浮かぶ方が多いと思いますが、
「チョコレートも仲間だなんて!」と驚いた方は少なくないと思います。

さて、次回も「カカオ豆の加工」の話の続きをします!

次工程は、「乾燥~出荷」です!

乞うご期待!!!




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