チョコレート製造の知識① 原料混合~微粒化

新しいチョコレート研究開発

みなさんのイメージする「チョコレート」は固形状でしょうか??

実は、固体になるのはお店に並ぶ直前なので、チョコレート製造者にとって通常の「チョコレート」は液体です!!

チョコレートメーカーに勤めた経験知識から、チョコレート製造の一連の流れをみなさんに紹介したいと思います!
チョコレート工場ならではの「あるある」も一緒に紹介していきますね!

今回は初回ということで、まずは「原料混合~微粒化」という工程を説明します。

(みなさんの疑問)

「原料混合」は分かるけど、「微粒化」って何?チョコレートは小さい粒々なの?

(Satoshi)

お!興味津々ですね!それでは、Let’s Start it!

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原料混合~チョコレートの生地の製造~

チョコレートの主な原料であるカカオマス、ココアバター(油脂)、砂糖、粉乳などを混合させる工程です。

各原料の計量

製造するチョコレートの配合にに応じて、カカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳などを計量して、「ニーダー」と呼ばれる大きな混合羽で原料をミックスしてくれる機械の中に入れます。

生地の製造

ある程度ニーダーでコネコネすると、
原料中の液体原料であるココアバターが砂糖や粉乳などの固形原料を覆い、軟らかくてモチモチした「生地」ができ上がります!

すでにチョコレートらしい香りがして、そのまま食べてもおいしいですが、
ジャリジャリした舌ざわりなので、みなさんの知っているチョコレートの滑らかさではございません!

★ドキドキ!?チョコレート製造現場あるある!
ニーダーに入れるカカオマスやココアバターは液体の状態です。
ココアバターやカカオマスは、27℃未満であると、固まり始めてしまいますので、常に温めていないと生産効率が落ちてしまいます。
なので、チョコレートを固める工程以外の製造現場の環境は、温まった機械の熱で一年中暑かった経験があります!!笑
しかし、近年は各現場で様々な環境改善がなされ、室温で働ける現場が多いのでご安心を。 

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微粒化~チョコレートのフレークの製造

複数の「ロール(金属でできた大きな円柱の筒)」で構成された「レファイナー」と呼ばれる装置で、「生地」を微細化します。

レファイナーって?

縦に5本並んだ「ロール(金属でできた大きな円柱の筒)」で構成された「レファイナー」と呼ばれる装置です。
下部から数えて第1ロール~第5ロールと呼んでいます。

各ロールは互い違いにものすごい速さで回転しており、上の段のロールにいくほど速い回転速度です。
「生地」をロール間に通過させることで、生地中の固形原料を引きちぎって粒子の大きさ小さくさせます。

上の段のロールへと油脂が浮き出ていた「生地」が均一に運ばれていくうちに、「フレーク」と呼ばれる油が浮き出ず乾燥したような粉状へ変化していきます。

なぜフレークにすると油脂は浮き出なくなるのか?
「生地」の状態は、油脂が砂糖や粉乳などの固形物を覆った状態です。
つまり「生地」の外側は油脂なので、触ると表面に油脂が浮き出てきてペタペタします。
しかし、レファイナーで「生地」を引きちぎると、固形原料が小さくなると同時に油脂も細かくなっていきます。
そうすると、油脂が固形原料を覆えなくなり、逆に固形原料が油脂を覆えるようになるので、表面が乾いたような感じになります。
フレーク同士を集めて強い力を加えると固形原料に覆われていた油脂が外に出てきます。(コンチング工程で説明します!)

どのくらい微粒化させるのか?

みなさんの知っているチョコレートにザラツキはないと思います。この滑らかさは、この「微粒化」によって作り出されるのです!!

生地中の砂糖が粉糖であっても粒子径が100ミクロンあり、食べるとザラツキを感じてしまいます。


滑らかさを出すためには、約20ミクロン以下まで微粒化させないといけません。

約20ミクロンという数字は、一般的に人間の舌がザラツキを感じない粒子の大きさです!!
この大きさまで微粒化させることで、舌触りが滑らかなチョコレートになります!

★ドキドキ!?チョコレート製造現場あるある!
実は、作った「生地」の軟らかさによって、レファイナーによる微粒化の効率が変わってきます!!
「生地」作りで大事なのは、軟らかさです!
混合時間が長すぎたり、配合に油脂が多すぎたりすると、生地がデロデロのペースト状態になってしまいます。
デロデロのペースト状態のままレファイナーで微粒化させようとすると、
ロールの隙間に上手く接地できず、ロールとペーストの間で滑って固形物が引きちぎりにくくなってしまいます。
「生地」のベストな軟らかさは、一般的に生地を少し揉んだときに表面に油脂がじわっと浮き出てくる程度と言われております。
製造現場で働いていたときの私は、混合時の生地から目を離さず、ベストな生地の軟らかさを見極めて作っておりました。
まさに「職人」そのものでした!笑
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チョコレート作りは「作りやすさ」も重視する!

おいしいチョコレートを考えることはもちろんですが、おいしいチョコの「作り方」も考え抜かなければいけないと思います。

でもここで伝えたい「作り方」は、「思いやり」がある作り方を考えるべきだということです。
製造現場では、研究開発者が考えたことを実行する場でもあります。

生産効率、製造環境もひっくるめて、製造者、お客様、全員にとって「おいしいチョコレート」を作っていきたい!

そう思って開発していきたいです。

次回のお話

次回はフレークから、液状化へ!「精錬(コンチング)工程」です!
乞うご期待!




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